2012年4月1日にテレビで放映されたスペシャルドラマ『SPEC~翔~』を見てのちょっとした感想です。
このドラマシリーズを最初に知ったのは確か新聞のテレビ欄で、「派手な特殊能力をドラマのスパイスにして、強大な力を持つがそれ故に悩みも持つ主人公の話」とかなんだろうと思って冷やかし気分で1話目を見たらあっさりハマってしまったのを覚えています。
別に地味な特殊能力であるよりは使ったことがわかりやすい方が絵としてもおもしろいので、派手なのは嫌いではないのですが、そこだけがおもしろいだけで使い古された安いエピソードで構成された話だと見ていて落ち着かないので、このドラマはそういったところがないのもハマった点だと思います。
他には、主題歌やドラマ内で用いられる音楽も好みにぴったりでした。
さて、それで今回のスペシャルドラマなのですが、前半はこれまでのまとめと思われる部分もあり、スペシャルドラマという位置づけではあるといえどことなく冗長だなぁといった感じでした。
志村美鈴(物体に触ると持ち主に関連した映像が見れるSPEC)の芸大を退学したエピソードなどはSPECらしくないなぁと思う場面でした。
SPECが発現してすぐのエピソードならともかく、既にしばらく時間が経っているわけだから自分の能力があのような場合にどのような不利な場面を導くかは何度か経験しているはずです。
瀬文に、ひいては視聴者に能力がある故の苦悩みたいなのを見せるにはもっと他のエピソードはなかったのだろうかと思うところです。(それとも、他の考えがあったのでしょうか)
しかし、そうは言っても葬式の場面になったあたりからSPECらしさを取り戻してきて、そこからは最後までただただ画面に釘付けでした。
当麻のSPECも眼鏡の女子高生に負けず劣らずチートな感じでしたが、死者を地面から引き出すシーンを見ればちょっとばかし万能そうでもいいかという気分になりました。
まさに死者は地の下から引き出されるのであり、その地の下の死者の世界を考えると、毛が逆立つのを感じました。冷泉(未来を予知するSPEC)が身体を斜めにしてポチャンと地の下へ帰るあたりもよかったです。地面が波打つ感じがたまらない!
個人的には、当麻とサトリ(人の心を読むSPEC)が一緒に踊るところでかなり笑わせてもらったし、なんだかんだで今回のSPECの中で一番良いシーンだったと思います。
どの人物もキャラが立っているのでそれだけでおもしろいのですが、別に踊りいらないじゃんといった部分も込みで成り立っているところがこれまたよかったです。
やや引っかかったところとしては海野先生(病を処方するSPEC)が当麻の人柄が云々と言っているあたりで、そんな言葉をライアーゲーム2の中で聞いたぞと思いながら、当麻である戸田恵理香という役者がそういう役回りが多いのかなぁといったことも思いました。
海野先生が言う通り「死者を呼び出すだけのSPEC」であるならばパロってるわけではなさそうですし。ただ、いつの間にサトリがSPECを貸すほどに信頼されてたのかいまいち思い出せなくて、この点がはっきりすると海野先生はちょっと間違っているということもでてくるとは思うのですが、いつだったのでしょう?
他には、海野先生が本当に左手を使えなくしたのかや、左手の神経が死んでれば死者を引っ張りあげられないのか、雅ちゃんタイミング良すぎて怪しすぎね?といった謎も多いのですが、何はともあれ気になるなら映画を見に行かないとということなのでしょう。
そういえば、今回のドラマスペシャルは「翔=承」で映画は「天=転」で、Wikipediaを見ていみるとやはり起承転結の「?=結」についても構想があるみたいですが、どうなるんでしょう?もう一回映画ですかね?
もうしばらく楽しめるというのはうれしい限りです。
0 件のコメント:
コメントを投稿